人生をかけて時間もお金も、意気込みも体力も全てをかけてきた競技生活。
しかし、どんなアスリートにも早かれ遅かれ引退の2文字は訪れます。
アスリートとして莫大な報酬を手に入れられた人であればセカンドキャリアはゆっくり考えても良いかもしれませんが、報酬を全て使ってしまっていた方や思うほどアスリートとしては稼げなかったという人にとっては、セカンドキャリアは真剣にそしてすぐに考えるべきことなのではないでしょうか。
とはいっても、なかなか競技をしながらではさまざまなことを調べられないのが現実です。
そこで今回はアスリートのセカンドキャリアの選択肢と課題点・問題点と解決策についてご紹介します。
アスリートのセカンドキャリアの選択肢
アスリートのセカンドキャリアの選択肢はもちろん非常に多いのですが、大枠で分けた場合には下記の5分類に分けられます。
コーチ・指導者などの後進育成側
まず一番最初に浮かぶのが、コーチになったりチームの指導者になるというこれまでの競技に思い切り関わっていくという働き方でしょう。これまで培った知識や経験をダイレクトに仕事にできますし、それまで作ってきた人脈もそのまま利用しながら仕事ができます。
ただし、コーチや指導者として生計を立てられる人数は選手の数よりも少ないことが一般的であるため、選手以上に狭き門と言っても良いかもしれません。
また、結果が出ない場合に見切りをつけられるタイミングが早いのもコーチであるため、これだけで生計を立てるのは非常に難しいと言えるかもしれません。
プロチームの運営側
プロスポーツの運営側になるという選択肢です。
チームスポーツの言い方であれば、「フロントに入る」のような形で表現される働き方で、球団経営やプロスポーツの営業、スカウトなどそれまで選手としての自身にサポートをしてくれていた人たちの仕事側に回る形です。
どんな仕事をしてくれているのかということが大体わかるため、アスリートのセカンドキャリアとしては移りやすいかもしれません。また、協会やリーグ全体の経営・運営側に入るということも選択肢としてはあります。
知名度を活かして独立・起業
アスリートはその他の一般の方よりも名前が売れている可能性が高いため、その知名度や実績を活かして独立したり、起業したりという選択肢があります。
大きなビジネスではなくても、コメンテーターやタレントとしてメディアに出演して報酬を得たり、本などを執筆して報酬を得ても良いでしょう。
また、新たなビジネスを立ち上げようとした場合、自身の知名度によって新規顧客の獲得がその他の方よりも安易な場合もありますので、立ち上げ期のスタートダッシュを一気に駆け上がれる可能性があると言えます。もちろん、資格を取得して資格+知名度で独立するというのもこちらの選択肢に入ってきます。
一般企業に就職
いわゆる一般企業に就職するという選択肢です。スポンサーとなってくれていた企業でも良いですし、全く関係のない企業に採用面接を受けに行っても良いでしょう。
営業や人事、エンジニアなどの仕事を中心として一般企業に就職して、アスリート以外の背景を持つ人たちと一緒に働くことになります。
良い面としては、いわゆる一般的な社会を知ることができるという面が挙げられるかと思います。
また、一緒に働く方にとっては有名人になるため、契約が取りやすいなどのメリットもあるかもしれません。しかし、就職の場合、年齢によってはビジネスのスキルや経験がないと受け入れてくれない場合も多く、競技の実績が通用しない可能性もあります。
投資家
こちらは、競技で相当な金額を稼いだ人にだけ扉が開いている仕事ですが、株式や不動産などに資金を投下してリターンを得るという投資家という道もあります。一般的な仕事よりも平均的な報酬が高めに設定されていることが多いアスリートであるため、引退する際に一般的な年齢には見合わない金融資産を資産を手にしている可能性もあるため、この選択肢はそういった方に飲み選択できるものになります。ただし、他の仕事と違い、資産がマイナスになって収入が0になる年もあり得るようなものでもありますので、注意が必要です。
【アスリートのセカンドキャリア実例】https://www.mri.co.jp/knowledge/wisdom/legacy/column/index.html
https://athlete-live.com/
アスリートのセカンドキャリア形成の課題点・問題点
次に、アスリートがセカンドキャリアを考える際にぶつかる課題点・問題点について見ていきたいと思います。
アスリートとしてのキャリアが評価されにくい
特に一般企業に就職するというセカンドキャリアを描く場合、それまで競技一本でやってきた選手は、一般的なビジネスにおける評価の仕方でスキルや実績を評価することができず、「なんのスキルも経験もない」といった厳しい評価を受けてしまうことがあります。
これは受け入れる側の企業の問題でもありますが、同時に利益を創出しなければならない企業側の言い分も理解できるものであると言えるでしょう。
特に20代後半以降の場合、一般的な企業では中途採用=即戦力と解されており、個人の能力は「前職などの経歴」で判断されます。これはアスリートのセカンドキャリアでも当てはまることですが、アスリート一本でキャリアを作ってきた人にとっては、「前職の経歴」が現在の仕事と結びつかないものも多いため、なかなか評価されにくいのです。
本人が競技以外の知見を得ていないことが多い
アスリート本人が、競技以外の世界をほとんど見てこない人生であったり、知見を得ていない場合には、自分がどんな仕事がしたいのか、どんな仕事が向いているのかということについてセカンドキャリアを考える本人が悩んでしまうことがあります。
競技に全身全霊で取り組んでいると、それ以外のことが目に入らなくなるといったことは珍しいことではありませんが、自分がこれから何がしたくて何が得意なのかなどがわからず、そもそも世の中にどんな仕事があるのかも理解していないと、やはりセカンドキャリアを考える際には大きなハードルになってしまうのです。
年齢でブロックされる可能性がある
こちらも一般企業への就職の話になりますが、一般企業で希望する職種での業務経験が一定以上ない場合、「年齢」によっては門前払いになってしまうことがあります。
先述したように、一般的な企業では中途採用となる年齢層は「即戦力」と考えていますが、その業務範囲に関わった実績や経験がない場合には即戦力とは考えられず、1から教えるということになりますので、年齢で足切りのような形のされてしまうことがあります。
新卒採用や20代中盤くらいまでであれば、未経験でも将来貢献してくれれば良いという形でポテンシャルで見られることはありますが、20代後半くらいから明らかに実績や経験を見られることになるため、アスリートのセカンドキャリアではここが非常にネックになるのです。
アスリートのセカンドキャリア形成の課題点の解決策
では、課題点の解決策がないのかというともちろんそういうわけではありません。課題点・問題点の解決策を見ていきましょう。
ビジネスの世界を理解しておく
まず、日本に存在している多くの就職先は「営利法人」です。いわゆる「ビジネス」の世界で活動することになるため、このビジネスの世界のルールや仕組みなどを理解するように現役時代から努めることをオススメします。
まずは身近なところから自分の年俸や報酬はどうやって支払われていて、どこからそのお金が出てきているのかなど、お金の流れを確認すると理解しやすいでしょう。
評価されやすい資格を取っておく
「未経験」で採用されないのは大抵の場合、資格などが必要のない仕事であり、国家資格などが必要な仕事であれば、「有資格」というだけでも採用されることは少なくありません。
これまでのアスリートでも、医学部に挑戦したり、税理士・公認会計士の資格を取ったり、薬剤師や医療事務など、資格を取って働いていらっしゃる方は非常に多いです。できればその資格がなければ仕事ができないような資格を取得しておくのがオススメです。
アスリートのキャリア専門家に相談しておく
最後になりますが、最もオススメなのができるだけ早いタイミングでアスリートのキャリア専門家に相談しておくことです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
アスリートのセカンドキャリアはさまざまな道が考えられますが、
アスリート特有の課題点によって無駄にハードルが高くなってしまっている場合があります。
多くの場合、時間をかけていれば問題なく解決できる内容ですので、
できるだけ早いタイミングで準備を進めることをオススメします。
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